ライバルは豪徳寺。浅草・今戸神社はなぜ「招き猫」発祥の地と言われるか?

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2018/05/02

商売繁盛の縁起物として知られる招き猫ですが、今回はそんな招き猫にゆかりが深い東京都台東区の「今戸神社」へ。そこは猫にまつわるスポットや招き猫グッズで溢れ、また新選組の沖田総司にも縁がある地だとのこと。若い女性参拝者の姿が絶えないという、知る人ぞ知る名所とは、一体どのような場所なのでしょうか。

浅草からも近い招き猫の聖地「今戸神社」

以前、招き猫の聖地といわれる豪徳寺を取り上げましたが、今回は同様に招き猫にゆかりある「今戸神社」をご紹介しましょう。

image by:photoAC

この神社は浅草寺から徒歩約15分、浅草の喧騒から遠ざかった静かなエリアにあります。今や世界からの観光客でごった返す浅草ですが、このあたりはツーリストの姿も比較的少なめ。

とはいえ、この神社を目指す人たちはそれなりに多いです。この日、私の前を歩いていた女子が神社の鳥居を見つけた途端、こう叫びました。

ネコ感、薄っ!

招き猫の神社だから、鳥居からすでにネコネコしていると思ったのでしょう。たしかに、鳥居の脇にある招き猫の看板がなかったら、見落としてしまうかも。

さて、この神社がなぜ招き猫に関係しているのでしょうか

それは江戸時代末期のこと。この付近に暮らしていた貧しい老婆が泣く泣く愛する猫を手放す羽目に。ある夜、老婆の夢枕に愛猫が立ち「自分の姿を人形にしてほしい」と言い、そのお告げに従った老婆は猫の人形を今戸焼で作り、浅草神社の鳥居の脇で売ったところ、それが評判になったことが由来とされています。

豪徳寺は、昨年のNHK大河ドラマ『おんな城主直虎』の主人公・井伊直虎の孫といわれる直孝が、寺の門前で手招きする猫に導かれ、落雷の難を逃れたことが招き猫の由来でした。一方、今戸神社は「今戸焼」の猫人形が関係していたわけですね。


いざ境内に足を踏み入れると、鳥居付近の薄めな「ネコ感」を払しょくするかのごとく、招き猫がいたるところに見られます。

大木を囲む夥しいほどの数の絵馬。社殿へ向かう前には、携帯電話の待ち受けにすると「願いが叶う」と評判の石作りの招き猫カップル「なで猫」が。そして、社殿には2体の大きな招き猫と今年の干支である犬の置物がドーン! 手を合わせていると、招き猫に心の中を見透かされそう……タジタジとなりそうなほど迫力満点です。

ちなみに今戸神社の御祭神は、應神天皇(おうじんてんのう)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、福禄寿(ふくろくじゅ)でございます。

参拝後は社務所へ。

こちらの社務所もまた、女子のココロをくすぐる招き猫がデザインされた授与品が目白押し。おみくじをはじめ、根付、宮司のご夫人が描かれた招き猫の絵や御朱印帳がズラリ。

社務所は恋する(?)オトメたちで賑わっておりました。社務所前の休憩スペースには着物姿の女子たちの姿もあり、ちようど桜の満開の時期も重なり、華やかな雰囲気。

ところで、この神社では他の神社ではほとんどなされていないユニークな取り組みをされています。それは、男女の出会いの場を提供する「縁結び会」

会には良縁を求める男女が集まり、祈祷を受け、全員と1対1で話す時間が設けられるそう。2008年から始まったこの会がきっかけで結婚に至ったカップルは60組以上だとか。(申し込みについてはHPを参照ください)

また、この神社は「新撰組」一番隊組長だった沖田総司の終焉の地でもあります。沖田総司はこの近くで開業していたに徳川幕府の御殿医、松本良純の診察を受けていたものの、治療の途中で他界してしまったそう。招き猫ゆかりの神社には江戸時代に生きた人々の物語が刻まれているのですね。

招き猫をテーマに東京を旅するなら、今戸神社豪徳寺の2か所を旅すると楽しいかもしれません。個人的には、招き猫のご利益アイテムをたくさんゲットしたいという方は今戸神社、井伊家にまつわる招き猫の歴史を感じながら散策を楽しむなら豪徳寺がオススメです。

  • image by:御田けいこ
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人生の設定は「いつでも、どこでも、食いしん坊バンザイ!」。人に会い、土地を歩き名物にふれ、郷土の味をあじわいつくす、をテーマに今日もどこかを踏みしめ歩いています。広島県生まれ。

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